歯周病専門医ブログ③歯周病と家
こんにちは。府中エンライトデンタルクリニックの後藤弘明です。
専門知識である病気のことや、治療のことを患者さんに伝え、理解してもらうのは非常に難しいです。しかし、自身の状態や、どの様な治療の選択肢があるのかを知って選んでもらうためには、それを理解してもらうことが非常に重要になります。
なんとか分かりやすく伝えられないのかと考え、我々は例え話を使うことがよくあります。
今回は日常臨床でよく使う例え話を紹介したいと思います。実はこの例え話はいくつかありますし、日々新しいものを考えています。
今回はよく使う歯周病治療の重要性を『家』に例えて説明します。
家を建てる際には必ず地盤調査というものをします。地盤がしっかりしていないと地盤沈下したり、地滑りしたり、液状化したりしてしまいます。そんな土地に家を建ててしまったらどんなに立派な家を建ててもいつ家が傾くのか不安でおちおち寝ていられません。ですが、もしそのことを知らなければ気にすることなく暮らすことはできます(恐ろしい・・・)。 なので、地盤が弱い時は家を建てる前に地盤改良を行います。そうしてできた頑丈な土地の上に家を建てこそ安心・安全な暮らしができるというものです。
この場合の家というのは「歯」や「被せ物」のことです。そして土地が「歯周組織」(歯茎や歯を支えている骨)です。歯周病にかかっているということは土地の地盤がしっかりしていないということです。そんな土地にそのまま家を建てることはしませんし、既に建っている家は非常に危険ですので地盤改良が必要です。その地盤改良が歯周病の治療をするということです。どんなに高価で白く綺麗な被せ物をしても、歯周組織が健康で強固になっていないと、ある日歯がぐらついてダメになってしまうかもしれません。
つまり家の文章を翻訳するとこうなります
被せ物をしたり、歯を長く使っていく際には必ず歯周病検査をします。歯周組織がしっかりしていないと、歯茎が腫れてり、歯がぐらついたり、抜けてしまったりします。そんな歯周病の歯に被せ物をしてしまったら、どんなに綺麗な被せ物でもいつ歯がダメになるのかおちおち寝ていられません。ですが、もしそのことを知らなけれんば気にすることなく暮らすことはできます(恐ろしい・・・)。なので歯周病にかかっている時は被せ物をする前に歯周病治療を行います。そうしてできた健康な歯周組織に支えられた歯に被せ物をしてこそ安心・安全な暮らしができるというものです。
歯周病はほとんど症状のない病気です。もしかしたら気付いていないかもしれません。
しっかり、歯周病を治すことの必要性を少しでも感じてもらえたでしょうか?