歯周病専門医ブログ① エビデンス(根拠)に基いた治療
こんにちは。
歯周病専門医資格を持って、日々診療に勤しんでいる府中エンライトデンタルクリニック院長の後藤弘明です。
さて、病気になって病院に行って治療を受けたことは皆あると思います。
ですが、行った病院や診てもらった先生によって言うことや治療法が違ったりしませんか?当院にも他院で言われた事の妥当性を知りたくて来院なさる(セカンドオピニオン)の方も多くいらっしゃいます。一体医療従事者はどの様に治療方針を決定しているのでしょうか?
エビデンス(根拠)に基いた治療 : EBM
我々が治療の意思決定をするのには4つの要素があります。
- エビデンス(科学的根拠)
- 経験と判断
- 臨床/患者の状況
- 患者の好みや価値観
1.のエビデンスとは医学文献や診療ガイドラインの事です。現在の新型コロナウイルス治療薬やワクチンもそうですが、安全で安心な治療法を確立するためには多くの研究者達の研究努力や治験での実証を経なくてはいけません。その研究や治験の結果などを書面にまとめたものが医学文献です。我々はその過去から最新の医学文献やそれらから導き出した診療ガイドラインを参考にして治療法を考えていきます。
しかし、エビデンスだけでは治療法を決定するのに十分ではありません。
2.3.4のの要素を加味して決定していきます。
先生の今までの経験や勉強している内容によってそれぞれ強みやコンセプトが変わります。
治療を受ける環境や状況、例えば治療に通える期間が限られたりすればできる内容も変わりますね。そして、お米が好きな人もいればパンが好きな人もいる様に治療を受ける患者さんの価値観によってどの様な治療を受けるのかが変わります。
なので、病院や先生や患者さんによって色々な治療の可能性が出てくるのです。
良く説明を聞いて納得して治療を受けることをお勧めします。
しかし、医学論文は英語のものがほとんどで忙しい中それを読むのはかなり大変です。
そこで歯周病専門医、認定医の仲間と歯周病のものをメインに医学論文をわかりやすく4枚のスライドにまとめてシェアする活動をFacebookで行っています。『Perio Box』で検索していただければ誰でも見ることができますので、歯科医師や歯科衛生士のみなさんは是非ご覧になってみてください。
ということで今回は、なぜ病院や先生によって色々な治療法を提案されるのかという話でした。